外資系IT企業に転職するのであれば当然ながらどのぐらの英語力があれば良いか気になるでしょう。
学生の方もしくは卒業後まもない人はTOEFLのスコアを持っている方が多いと思いますがビジネスや英語で日常的に使われる英語力は主にTOEICテストでスコア化されるのでTOEICの受験をお勧めします。
TOEIC 600点台
SEやプロマネが外資系IT企業に転職するにあたってTOEIC(Listening & Reading)600点台は最低限必要なスコアだと思います。
SEやプロマネの業務であれば日常的に英語で会話するシーンはそれほど多くは無いのですがメールや社内ドキュメントが英語で書かれているケースが多く、それらを理解しメールで質問するぐらいの英語力は必要になりますし、このぐらいのスコアが無いと日常的に情報に付いていけず大いにストレスが溜まります。まずはスマホ片手に気楽に勉強してみても良いと思います。
TOEIC 700点台
SEやプロマネなどの技術職の方は700点台あればあまりストレスを感じることなく業務をこなせると思います。ただし個々のプロジェクトを成功に導くには社内の有益な情報、たとえば他の成功プロジェクトの成果物や技術的なノウハウ、解決策を持ってそうな人の人脈情報などの英語情報に積極的に触れる必要があり、ある程度自分から英語情報に飛び込んでいく覚悟は必要です。
700点台以降のレベルを目指すのであればぜひ実際の外国人と話ながら英会話力を身に着けられることをお勧めします。オンラインの英会話スクールなどがお勧めで転職後の実際の業務風景をシミュレーションすることにもなります。
さらに、グローバルにまたがる案件であれば海外側のプロジェクトでは外国人が従事しているのでsの方たちと日々進捗や課題を共有していく必要があります。プロジェクトリーダークラスになるとこのような情報交換や電話会議(ZoomやTeamsでのオンライン会議を含む)が必要になってくるので、より大きなプロジェクトに関わりたいのであればぜひ700点台を目指していただきたいと思います。
TOEIC 800点台
プロジェクトリーダークラスあるいはシニアSEクラスになるとTOEIC 800点台が望まれます。このクラスではプロジェクトの見積り作業に関わったり、前例のないプロジェクトや新しい技術のローンチに関わったりします。そのために海外のメンバーと相談や交渉をして作業をスムーズに進めてトラブルを解決あるいは回避したりする交渉力が必要になります。
例えば日本でも同じですが、リーダークラス同士の情報共有や課題の解決策の模索が必要ですし見積り時に最適な工数を見積る技術や落とし穴を見つける技術が必要になり、どうしても多くの人材と相談したりお願いしたりする必要があります。
TOEIC 800点あればこのクラスあるいは管理職への転職あるいは昇進が可能になるでしょう。
800点台の英語力は座学や英会話教室だけで身に着けるのは少し難易度が高いです。実際に700点台で転職してから現場で身に着けるのも手っ取り早い方法です。
TOEIC 900点台
SEやプロマネなどの技術職の方で900点台のスコアを持っていたり目指している方は非常に少ないと思いますし、外資系企業の人事でもこのレベルのスコアをあえて要求するところもないでしょう。
900点台というのはそれほど日本人にとって高次元の英語力ですし通常の日本の英語教育を受けただけは得られない点数でもあるので目指す人が少ないのも当然です。
ただ、900点台の英語力があることで技術系の管理職ポジションへの転職がかなり有利になりますしその後の日々の業務も楽になります。なぜなら、管理職になれば人の管理や人材採用などの人事面の業務も増えますし予実管理やグローバル横断の情報共有のミーティングがぐっと増えて来ます。おそらく現場のプロマネやSE時代にはない仕事をたくさんこなさなければならず、英語力がネックになるとかなりつらくなります。
800点台でも業務はこなせますが、900点台あるとさらに積極的に業務をこなすことができ、部長や事業部長レベルへの転職や昇進も有利になります。
このレベルを目指す方は英語力ではなく何を話すかというトピック選びや説明の仕方も重要になりますので視野を広く持って日本の文化を勉強するなんてことも重要です。
このような実地での会話練習なども有効です。
自身の経験談(700点台から900点台へステップアップ)
始まりは700点台
私自身はもともと英語は苦手ではなく国内システムインテグレーターに勤務していたころ(SEやプロマネ職)はTOEIC 700点台の後半から800点台前半あたりでした。国内ベンダーなので英語に触れる機会もあまりありませんでしたのでそれほどのスコアも必要なかったかもしれません。
ただ、その後に海外プロジェクトに携わる機会や海外駐在の機会があり、真っ先に手を上げることができたのはこのスコアを持っているという自信があったからです。
800点台で給与がジャンプ
その後、米国への長期出張や4年ほどの駐在を経験しました。当初は800点台でもなんとか業務がこなせましたが管理的な業務や私的な雑談についていくのは難しかったです。ただ、周りが外国人だらけの環境が良かったのか駐在が終わって帰国する頃には800点台後半のスコアになり、その際の外資系転職ではなんと給与が1.5倍になりました。
仕事内容は変わってないのに外資系IT企業に転職するだけで給与が上がったのはTOEICのスコアによる自信や評価によるところもあるでしょう。
900点台で給与とポジションがともにアップ
日本に帰国したころは800点台だったのですが、その後も外資系企業の勤務が多かったので10年ぐらい後に受けたTOEICのテストではなんと900点台のスコアを得る事ができました。
自分では勉強した覚えは無いのですが、日常的に英語が飛び交う環境に10年ほどいたことで徐々に鍛えられたのかもしれません。
900点台のスコアを得ると転職の面接の際も驚かれますし、重要なポジションであっても選考でかなり有利になります。また、部長や本部長クラスへの転職だと途中で外国人との面接がありますが、そういった面接も何も物おじせずにこなすことができます。ただ、あくまでも英語力は副次的なスキルであり、本来は適切な業務スキルを持っているかどうかが評価されます。